太平洋フェリーきたかみへ乗船して北海道へ向かう

所要で北海道に向かうことになったので、一度やってみたかった船での上陸を試みることにした。
今回乗船するのは仙台・苫小牧間で運行する太平洋フェリーきたかみだ。
実は名古屋・仙台間は乗船したことがあるので、これで太平洋フェリーの航路は片道完全制覇だと意気込んで仙台駅までやってきた。
乗り場は仙台駅前のバスプールではなく、仙石線あおば通駅の近辺だったのでそれなりに歩く必要があるのだが、当日は土砂降りだったので移動が少々辛かった。
続々とフェリーの乗船客と思しき人達がやってきてバス停の小さな屋根の中に収容仕切れないほど集まってきていたので早めに来ておいて正解だった。

結構な土砂降りの中バスを待つ

乗車時、私の持っているPixel6aが不具合によりモバイルSuicaが機能しないというトラブルがあったが、バス車内でアップデートして念の為取っておいた整理券を見せて決済してもらうことができたので事なきを得た。
一昔前に比べれば何でもかんでもキャッシュレスで決済できるようになったとはいえ、こういう不具合がある可能性を考えるとまだまだ現金は手放せない。

仙台港についたが雨は降り続いている

現在は完全に平常営業しているがあちらこちらに例の震災の痕跡が見え隠れする。

津波到達高さを示す看板
一部破損した船の模型

こういったモニュメントもそうだが、運用面でもその影響は現れている。
名古屋・苫小牧乗船の場合は仙台寄港時に一時下船ができるのだが、その最中に津波が発生した場合は乗客を置いて緊急離岸する旨明言されているのだ。
勝手のよく分からない旅行先でいきなり災害に見舞われた上、移動手段も失われるというぞっとしない状況だがそんな目にあう人間が出ないことを切に祈りたい。

雨でよく見えないが船名はかろうじて確認できた
そこそこ長いボーディングブリッジ

今回お世話になるのは二段ベッドタイプであるB寝台で、運よく早割枠の空きがあったので7,700円と割安で乗船することができた。

B寝台

今回はスーツケース携行のため置き場所が心配だったが、寝台内に荷物置き場があり51Lサイズであれば置くことができたので一安心。
ただ、B寝台についている机のせいでスーツケースを置きづらかったので、その点に関しては若干グレードが下のC寝台の方が逆にいいかもしれない。
フェリー旅の楽しみといえばはるか彼方まで広がる海原と船の揺れに合わせて水面が動く大浴場、そして食事だ。※個人の感想です
特に太平洋フェリーはバイキングディナーを楽しむことができるので気分としてはちょっとしたホテルに泊まった気分になれるのが素晴らしい。
ただ、みんな考えることは同じであるため出港間際はひどく混雑する他、出港してからだと船の揺れで食事に集中できないので個人的には早めに乗船して食事を済ませることを推奨したい。
船酔いを警戒して酒を控えたが正直それはもったいないラインナップだった。
ザンギ・マーボー焼きそばといった北海道・仙台それぞれの名物の取り合わせは手堅いコンビだし、サーモン寿司・ローストビーフといった定番も非常に美味しかった。
中でも一番気に入ったのはめかぶだった、私はめかぶのポテンシャルを見誤っていた事を謝罪しなければならない。

ディナーバイキング

ディナーバイキングで腹もくちくなったので、風呂に入ろうとしたが案の定混雑していたのでとりあえず自分のベッドで一息ついていたら普通に寝てしまった。ドカ食い爆睡である。
目が覚めたときは午前2時を回っており、あんなに騒がしかった船内はひっそりと静まり返っていた…。

岩手県三陸沖を航行中

誰もいなくなった湯船を楽しんだあとふと船内探索を思い立ったが、このきたかみは他の太平洋フェリーの船舶と異なり設備が厳選されているため正直甲板に上がるくらいしかやることがない。
出発地点の仙台港から北上してもなお雨雲の勢力圏内らしく霧雨が降っており、足を滑らせないように注意しながら甲板に出ると異常に明るい光がある程度の間隔をおいて並んでいる光景が見えた。
一瞬街の灯りだろうかと思ったが陸とは反対方向であったためどうやらスルメイカ漁の集魚灯、古風に言えば漁り火の様だ。
ニュースを調べてみたら大漁とのことだったので結構なことだ。
www.iwate-np.co.jp
なんて事を呑気に思っていたらあまりに大漁すぎて水産庁が定めた漁獲可能量を超過したらしくストップがかかったようだ。大漁でも素直に喜べないとは漁師も大変な商売だ。
www.stv.jp
ともかくいさりびの列を一通り眺めてからまた一眠りする事にした。
あれだけ寝てまだ寝ることができるのかと我が事ながら驚くが不思議なことに船上だとよく眠ることができる。
それが船独特の揺れのせいなのか、狭い寝台のせいなのか、スマホがうまく通信できない為かは判然としないが、気合を入れて寝るならばフェリーは最高の環境だと思う。
夜が明けてモーニングバイキングの案内放送で目を覚まし、レストランで朝食を摂ることにした。
ディナーと比べて値段が若干安い為か、営業時間が短い為かは定かではないがレストランは大混雑していた。
きたかみには少々残念な事にカフェスペースがないので船上で素敵な朝食を摂るにはこのレストランを利用するしかないのだが、正直いえば朝はもっと寝ていたいし普段は朝食抜いているし今度乗船のチャンスがあればバイキングはディナーだけにしておこうと思った。
なお、モーニングに出ていためかぶはディナーのものとは別だった。残念…。

モーニングバイキング

その後もひたすらうとうとしていたら苫小牧港に到着していた。ほぼ寝ているか飯を食っているかしかしていないのに。

苫小牧フェリーターミナル

実は船内で自衛官やら消防隊員を見かけたので当時は何事だろうかと思っていたが、最近Youtubeを見ていたら震災当時北海道から救援に向かった人々がこのフェリーを利用して東北まで向かった事が分かったので、その訓練だったのかもしれない。
www.youtube.com

札幌市消防局

ライフラインとしてのフェリーを感じることができる良い船旅だった。

なお結局ずっと雨は降ったままでした