函館をぼっちで満喫するのは私にはまだ無理でした

日常にワクワクが無くなり心が錆びつくと猛烈に旅に出たくなる。
今回は三連休に新幹線の割引切符が手に入るという幸運にも恵まれて函館に新幹線で行くことにした。
参加人員は私一人。
北海道新幹線はやぶさ号に乗ってはるばる函館までやってきた。

函館駅

函館駅に着いてからホテルのチェックインまでに多少の時間があったため赤レンガ倉庫を見に行った。
大変お洒落な民芸品店やダイニングバーなどの大人な方々なら目を奪われるスポットを差し置いて私が撮影していたものはなぜか土産物屋においてある木刀だった。

血気盛んな若者に旅行先で持たせてはいけない物品No.1が観光地に堂々と置かれている理由が昔から分からない。
ただ,こんなものを写真に撮っているあたり私自身にも何らかの魔力が働いているのではないかと思う。
逆に買ってもいい学校なんてあるんだと驚いた
函館山にも上ったが正直少し辛いスポットだった。男一人で来ている奴なんかいないし,初秋の時期なのにすごく寒く震えるほどだった。
ただ,夜景を見れたという達成感だけはあった。実現する可能性は低いが一緒に行ける人間ができれば再訪を考えてもいいかもしれない。

事前調査ではあまり重視していなかったが,実際に行って印象に残ったのは立待岬だった。
市電の終点から15分ばかり歩くと見えてくるこの岬は津軽海峡を通して本州を望むことができる静かなスポットで,賑わう函館市街地とはまた違う函館の魅力を感じさせてくれた。
訪問した時期が悪かったが周辺にははまなすが植えられている

宿は駅前のルートインをとった。
地方では駅からのアクセスに難がある事で個人的に有名だが,ここ函館の場合は駅前にあったのでアクセスは非常に良かった。
ルートインはビジネスホテルの中では部屋もきれいだし大浴場もあるし朝食もあるしドーミーインほど高くもないという絶妙な位置にあるのでよく利用している。
下手な宿に泊まって余計なストレスを貯めるのが心配であるという神経質な人間にはお勧めしたいビジネスホテルだ。
おおよそのルートインの大浴場は一階にある印象だがここは最上階に大浴場があるので開放的な景色を楽しめるのもポイントが高い。

ビジネスホテルは旅費を抑えるのに役に立つが代償として夕食は基本的にない。
いつもだと近くのスーパーでつまみを買ってきて部屋でビール缶を開けながらつまむという旅行先でわざわざやる行為ではないことをしているのだが,今回は一念発起して街に繰り出した。
一人焼肉は最近市民権を得てきた感があるが,一人ジンギスカンというのはあまり聞いたことがなくノーアポで門前払いされるとショックで立ち直れない恐れがあった。
そこでグルメサイトで調査したところ一人OK,しかもネット予約を受け付けてくれるという予約電話も体調を整えないとできないような人間には大変ありがたい店を発見した。

窓に向いた席で人の目を気にせず臭みがなく食べやすい味の生ラムを気の向くまま堪能できたので大満足だった。
函館朝市は朝が弱い人間には少々辛かったので,ルートインの朝食でいくらといか刺しを食べて函館の朝を堪能した。

函館の他のホテルではいくらを山盛りにできる所もあるというが,朝のキャパシティを考えると私にはこれが精いっぱいだった…。
今回函館にきて収穫があったのは私一人だと観光しても十分に楽しむことはできないという事実だった。
誰かと共感・共有する事を前提に作られたスポットを私一人で消化するというのは土台無理な話だったようだ。
今後一人旅をするときは自分で消化できる範囲を意識しつつ計画していきたいと思う。
新函館北斗駅の待合室でセイコーマート豚丼をつつきながらそんなことを思った。